ReTech x FinTechで革新的な体験を | X-Tech Talk vol.1 FinTech 石田雄一さん

こんにちは! GA MAG.編集部の増田です。

FinTech (Finance x Technology)やEdTech (Education x Technology)、HRTech (Human Resource x Technology)のように、デジタル革命による産業構造の再定義(第4次産業命)により新たに出現した業界の総称であるX-Tech(クロステック)。(※1)

GA technologiesは2013年に創業してから「Renosy」を始めとするReTech(Real Estate x Technology)サービスを主軸とし、アナログな日本の不動産業界をテクノロジーで変え続けてきました。

そして、今後はReTech領域で培ってきた知識やノウハウ、技術を活用し、FinTechやConTech(Construction x Technology)といった様々な領域に進出していきます。

今回から『X-Tech Talk(クロステックトーク)』と題し、各X-Tech事業担当者へのインタビューを通して担当者の思いに迫っていこうと思います。

第1回はFinTech事業担当者の石田雄一さんです。

(※1) 出典:Wikipedia「クロステック」

  • プロフィール

    石田 雄一

    静岡県出身。東北大学法学部卒。新卒でりそな銀行に入行 し法人融資審査業務を担当。プログラミング未経験でワークスアプリケーションズに入社し、3年目から製品責任者として新製品の立ち上げを経験。その後IT系スタートアップ2社のCTOとしてBtoBサービスの事業化を行い、現職へ。社内システムの開発マネジメント、BtoB領域の製品企画・開発を担当。

不動産業界と同じく旧態依然とした金融業界にイノベーションを

GAが進めているFinTech事業は、FinTechの中でも住宅ローン周りになります。

不動産の売買において住宅ローンっていうのは避けて通れないものです。しかし、住宅ローンは不動産業界と同じで多くのアナログな手続きをする必要があります。

不動産業務の効率化や、お客様に新しいUXを提供するにあたって、そういった住宅ローン周りのアナログな手続きがネックになっていました。そこを改善したいと思って始めたのがGAが進めているFinTech事業です。

<FinTech事業第1弾:オンライン完結型の不動産ローンシステム>

住宅ローンに関する事業は僕が入社した頃(約2年前)から構想はあったのですが、本格的に進み始めたのは半年前くらいからです。

この事業は、銀行や司法書士、法務局などさまざまな機関・人と連携しないと進めることが出来ない事業です。

しかし、はじめは協力していただけるパートナーがなかなか見つかりませんでした。

中でも特に、協力していただける銀行を見つけることが難しく、説明をしても「なんで不動産屋が」という話になり、なかなか理解をしていただけませんでした。

ただ、ここ数年で銀行業務の効率化という波が来ており、それに伴いようやくGAの提案も通るようになってきました。

そこから、SBJ銀行というGAと同じ方向を向いて進んでいただけるパートナーが現れたので、そこからようやく進み始めたという感じですね。

新卒で入社したのがりそな銀行で、住宅ローンや個人・法人向けの融資、審査を担当していました。そのおかげで、ある程度住宅ローンというところに知見もあり、なおかつ課題意識もあったというのが理由の一つです。

急にプライベートな話になるのですが、一年くらい前に住宅ローンを借り換えたんです。

もともとメガバンクで住宅ローンの手続きをしていて、そこからオンラインで手続き可能な住宅ローンに借り換えました。

メガバンクで手続きをしたときは会社を休んで3回位手続きにいかないといけなかったのに対し、借り換え後は完全にオンラインで全部できたんですね。オンラインでできるのは凄く楽で助かったんですけど、それはそれでわかりにくいところも結構ありました。

そんな実体験から、まだまだやれることがあるなと、身をもって体験しました。

確かに、FinTechはトレンドとして騒がれていて、銀行周辺の金融取引に関してはテクノロジーが入って高度化していると思います。しかし、本当に内部の、まさに住宅ローンの手続きなどというのはまだまだやっぱりアナログで、僕が銀行にいた10年以上前から変わっていないというのが現状だな、というのが正直な感想です。

ハードルが高いからこそアナログなまま残っている部分だとは思うんですけど、だからこそやってみる価値があるなって思ったし、実際今のGAのビジネスに凄くシナジーのある部分なのでそこはやりたいと前々から思っていました。

そして、パートナーも見つかり挑戦できるチャンスが来たので、やりたいなと思い責任者として事業を進めています。

FinTech領域はまだまだブルーオーシャン

まず前提として、FinTech領域がレッドオーシャンかって言うと、僕はそうは思っていないです。

さっき話したとおりFinTech全体で見ると、たとえば決済の領域などは確かに多くのプレイヤーが参入していますが、銀行の収益の根本であるお金を貸すところや、預金をするところっていうのはまだまだアナログとして残っています。

要は銀行自体がまだまだアナログで、そこに対するプレイヤーっていうのはまだ出てきていない。

つまり、FinTech領域全体を俯瞰するとレッドオーシャンに見えがちだけど、住宅ローンや銀行の内部業務といった感じで、FinTech領域を細分化して見ていくとまだまだブルーオーシャンな領域っていうのは存在する、ということですね。

住宅ローンの手続きをする時、多くのお客様はいろんな書類を何回も書かなければいけないわけです。実際に、GAが扱っているような区分の中古マンションを複数件購入するとなったら、契約書類を書くだけで一日かかることもあります。

その後の手続きも冗長で、お客様に書類を書いていただいたら、不動産業者はそれを見てシステムにデータを入力します。しかし、銀行はオンラインで受け付けてくれないので、システムに登録した情報があるのにも関わらず、書類をもって銀行に行かないといけない。

銀行は銀行で審査をするのに、審査用のシステムにデータを入力しないといけない。 そして、審査を通ると、司法書士が抵当権の設定登記をするんですけど、それもデータはすべて同じなのに、銀行から書類をもらってからシステムに入力をしてみたいな、、、

そういった感じで、今の住宅ローンの手続きって複雑なプロセスに対して中途半端にITが入っているっていう状態なんです。

このようなアナログな手続きを変えるために、オンラインで住宅ローンの手続きができますっていう企業は増えてきています。ただ、今あるサービスの多くは銀行が単体でやろうとしているんですね。

住宅ローンっていうのは家を買うっていうプロセスの中から生まれているものであって、そのプロセスにはGAみたいな不動産会社や、司法書士など様々なステークホルダーがいます。だからこそ、全体的な最適化っていうのをしていかないと何も良くならないと思っています。

それができるのは銀行でも司法書士でもなく、お客様の窓口となっている我々だと思っています。

そこがGAがFinTech事業をやる意義だと思っているし、GAでないと出来ないことがそこにあると思っています。

お客様に革新的な体験を

最終的に目指すところは完全自動化だと思っています。

お客様の住宅ローンに対するUXを根本的に変えるっていうこと。それがGAのやりたいことです。

海外では既に実例もありますし、特に登記の部分に関してはブロックチェーンを使って所有権の管理をしている事例もあったりします。

当然ローンの自動化の部分も行われていて、日本は遅れを取っています。

ただ、日本も住宅ローンの審査はオンラインで出来ますし、法務局もオンラインで登記の申請を受け付けられる状態になっています。

完全自動化をする上で法律上のかせもありません。

既に環境は揃っているので、そこを繋げることができるとオンラインかつ完全自動化を実現することが出来ます。

あとは各関係者が覚悟を決めるだけですね(笑)

また、GAにはBlockchain Strategy Centerという部署もあるので、そことの連携も考えたりもしています。

ブロックチェーンが組み合わさることにより安全性を高めたり、より人の手を介さずに全ての流れを自動化出来たりします。

しかし、そこには法整備が必要だったりするので、まずは今まで進めてきたとおり住宅ローン周りの完全自動化を実現します。

完全自動化が実現できると、まさにウェブサイト上に投資用のマンションが並んでいて、利回りなどの情報も閲覧でき、ワンクリックで審査が行われて、そのままマンションが買えてしまうみたいな、そういう世界が来るだろうなと思っています。

いずれ誰かがやると思いますが、それをやるのがGAでありたい、そこを一番始めにやりたいと考えています。

この記事を書いた人

増田 剛士