業界の「先駆者」を目指して、インハウスローヤーが導くGAの未来

こんにちは!GA MAG.編集メンバーの伊藤です。

昨年入社された、GA初の企業内弁護士 古澤賢太郎クリストフさん。

Wantedlyで先日公開された記事、「初の社内弁護士が入社!ベンチャーの成長を法律から支える、法曹の挑戦。」はご覧頂けましたでしょうか?

Wantedlyでは、古澤さんのこれまでの"法との向き合い方"に焦点を置いて、ご紹介させて頂きました。

GA MAG.では、実際にGAで古澤弁護士がどんな業務を行なっているのか、社内弁護士を迎えることによってGAが今後どう進んでいくのかに着目して、お話を伺っていきます。

「攻め」と「守り」の法務で会社をより正しい方向へ

私たち社内弁護士の役割は、一言で言えば、会社が見えていない法的リスクを可視化し、その回避策を提示することです。それは、いわゆる予防法務と呼ばれる「守りの法務」、新規事業や資金調達などの「攻めの法務」の両方に当てはまります。会社として法令に則って事業を行なっているかチェックを行うのが弁護士ですが、難しいのが「法令に則っている」だけでは不十分な場合があります。

会社が事業を行う上で、当然のことながら数多ある法令に細心の注意を払いますが、それと同じくらい気をつけなければいけないのが、市場に存在している「不文律」(「実務」/「プラクティス」とも言います。)に気を配ることです。言語化こそされてはいないけれど、その業界に存在する"暗黙のルール"のようなもの。

例えば、新しい領域でサービスを打ち出す場合、同業他社様との間に存在する「目には見えない均衡」を乱せば、想定以上のインパクトが跳ね返ってくる可能性があります。これは、既存のシステム・サービスに対する変革を起こそうとしているスタートアップの企業は、特に注意が必要です。

もちろん、周りの目ばかり気にしていては、業界の先駆者(=The One)になることはできませんから、どの程度の不文律までであれば許容ができるか、その案配が重要になります。ここでも、「これはおかしいだろう」という感情を持つことが大切です。

だからこそ、社内弁護士の役割は、会社の方向性や新しく打ち出す事業が、

・法令に則っているかどうか

・行政の方針、考え方に概ね沿っているかどうか

・市場に存在する「不文律」に適合するかどうか

という部分を細かくチェックし、会社に対し「気付き」を提供すること。そして、「回避策」を提案し、実行をすることです。社内弁護士は現場との距離が近い分、短時間で多くのキャッチボールができ、より柔軟な対応をすることが可能です。

 

企業側のメリットは、法務における精密度とスピードが上がることです。常に近くで事業の進行を把握することで、多様化・複雑化するリスクに対しより的確なアドバイスをすることができます。

また、外部の法律事務所を使う場合だと、どうしても現場→法務→外部弁護士→法務→現場と、一連の流れに時間がかかってしまいます。一方で、企業内弁護士であれば、ここに費やされる時間が圧縮されるので、企業にとってメリットが大きいと思います。

さらに、社内弁護士であっても万能ではないですから、当然外部の弁護士に依頼をすることもあります。その場合でも、現場の意向を、弁護士の世界に存在する「共通言語」で外部弁護士に伝えることができるというのも、大きなメリットだと思います。

「相談しやすい関係」を築くために

「まず古澤さんに相談しよう。」と思ってもらえる関係を築くことです。

例えば、何か新しい企画を検討している場合、我々弁護士は、法的観点からどうしてもNGを出さなければならない時があります。それがブレイン・ストーミングの段階だったらまだ良いけれど、すでに実行の直前まで行ってしまってから、我々弁護士の耳に届く場合も、残念ながらあります。それまで膨大な時間やリソースを割いてきた企画が、社内弁護士の一言でポシャってしまうこともあります。社内弁護士のたった一言で企画が水泡に帰す、なんてことがあったら、誰だって腹が立ちますよね。

とても嫌な仕事ですが、それでも、会社のために「NO」と言わなければいけないのが弁護士です。眼前の利益追及だけではなく、長期的な会社のポジションまで視野に入れた上で、正しい方向に導くことが、社内弁護士の役目だと思っています。

また、こうしたことがないよう、早い段階で相談を持ちかけてもらえるような周囲との関係や、組織環境を構築することを常に意識しています。余計な力を抜いて、気軽に相談できる環境を構築するため、人との接し方・付き合い方は常に人一倍考えるようにしています。

あと、細かいことですが、相談しに来てくれた方には、必ず、今後に役立つ+αのヒント・コツ・アドバイスを提供するようにしていますね。私はこれを「お土産」と呼んでいるのですが、相談されたことに限定されない付加的価値を提供するのも、社内弁護士の重要な仕事の一つだと思っています。

全社員が持つべきコンプライアンス意識

「常に様々な分野に興味を持つ」という意識を、大切にして欲しいです。

GAのように急速に成長をしている会社では、常に新しい仕事が生まれるため、それに伴う組織改編のスピードも速いのが現実です。予期せぬ異動も十分にあり得ますし、半年後、1年後の自分が、今と同じことをやっている保障はありません。そんな急な状況変化に対応するために、社員一人ひとりが日常的に会社の成長の「その先」を見据えることが大切です。今担当している仕事だけではなく、自分の周りにある仕事を知る、プロフェッショナルとしての知見を広げるなど、視野の射程をどんどん拡げてもらえたらと思います。

個々人の成長が会社の成長に直結するわけですから、自戒も込めて、社員全員に常に意識して欲しいですね。そのために何か協力できることがあれば、労を惜しむつもりはありません。

月に1度、朝会の後に全社員に向けて行う研修です。社内のコンプライアンス体制を正常に機能させるため、法令遵守の重要性を社員に対して伝えることが主たる目的です。

ここまで聞くと、どの会社もやっているコンプラ研修の類と思われがちですが、私の研修では、「これはやっていい」「あれはやってはいけない」といった細かい話は一切しません。「なぜこういう法令があるのか」という《理由》から説明しなければ、一過性の薄弱な知識しか定着しないと考えているためです。どの法令にも、存在意義というものがあります。よく考えれば、何ら難しいことはありません。常識的なことを、難しく表現しているだけなのです。そこを解きほぐせば、真のコンプライアンス意識が定着すると信じています。

全社員の前で話していると、皆さんの表情がよく見えるのですが、実に真剣な様子で聞かれている姿勢に素直に感動しましたね。

できるだけ親しみを持ってもらえるよう、色々と小ネタを入れているのですが、皆さん真剣なのか、はたまた小ネタがつまらないだけなのか、全く笑いが起きないほどです。そういう時は、実はかなりうろたえていますが、全社員が他人事とは思わず、常に新しい知識を吸収しようとしている姿勢を強く感じます。全員が、会社・社会に対する責任感を持っているからこそ、感じるものだと思います。そこに、社員がもつ、会社・社会に対する責任感と、GAがもつ「スピード感」の理由が垣間見えた気がしました。

  • Corporate Strategy Division Legal Team

    古澤賢太郎クリストフ

    2007年3月  筑波大学附属高等学校卒業
    2011年3月  慶應義塾大学法学部法律学科卒業
    2011年9月  ポールヘイスティングス法律事務所(リサーチャー)
    2013年3月  慶應義塾大学大学院法務研究科修了
    2013年8月  金川国際法律事務所(パラリーガル)
    2016年9月  司法試験合格
    2017年12月 最高裁判所司法研修所終了、第一東京弁護士会に弁護士登録
    2018年1月  都内の法律事務所にて執務
    2018年10月 株式会社GA technologiesに社内弁護士として入社

この記事を書いた人

伊藤 奈海