新たな役員・執行役員就任者へのインタビューシリーズ。当シリーズでは新任者の経歴や就任の背景、そして今後の目的・意気込みについてインタビュー形式でお届けします。
今回インタビューするのは、2022年3月1日に執行役員に就任した福田 俊孝です。
はい、20代後半から投資用不動産会社のセールスとして、さまざまなお客様の声をサービスに反映してきました。また、リコルディ設立前の会社では早くからマネジメントを経験させていただき、1,000名近くの部下の育成に携わってきました。現在も、リコルディの代表として現場に立ち、同時に社員の育成にも関わり続けています。
執行役員として着手したいテーマはいくつかありますが、もっとも優先したいのはカスタマーサクセスです。
これまでのGA technologiesの取引データを分析し、契約後のアフターフォローについてはまだまだ改善できる余地があると考えています。投資用不動産は長期保有いただくことでメリットを享受できる商品ですので、アフターフォローが改善できれば他社での買増や短期での他社への売却などの機会損失を防げます。せっかくRENOSYというサービスの価値を理解していただいたうえで選んでいただいているので、購入後もあらゆる形で期待に応え続けなければいけないと思っています。
GA technologiesはリアルとテクノロジーの掛け合わせが強みです。これまで「OWNR by RENOSY」というアプリなど、テクノロジーの観点からお客様のニーズにお応えするサポートに注力してきました。今後は、テクノロジーの良さは残しつつリアル側も補強することで、よりお客様に安心いただける体制を整えたいですね。というのも、不動産は高額商品であるがゆえに、他の業界よりリアルでのコミュニケーションが非常に重要です。購入いただいたあとのお客様満足度を高める施策を、すでにいくつか考えています。
もちろん、新たにRENOSYに興味を持ってくださったお客様にご提案をすることも、非常に重要です。しかしそれ以上に、私はアフターフォローがすべての基礎だと思っています。
セールスの仕事は、大きく「新規顧客の開拓」「既存顧客のリテンション」の2種類に分けられます。どちらも非常に大事ですが、「新規顧客の獲得は、既存顧客を維持するより5倍コストがかかる」という事実は、経営上必ず意識しなくてはいけません。また「顧客離れを5%改善すると、利益が25%以上改善される」というデータもあります。社員が無限に働けるわけではもちろんありませんので、企業として生産性の高い仕組みは常に考えています。
Webでの集客は便利な一方、広告宣伝費などのコストがかかります。また労働時間が増えれば人件費が膨らむ上に、社員に負担がかかります。しかし、お客様にご紹介いただいた場合は、こうしたコストが最小限になります。お客様に紹介料を出す会社もありますが、私はお客様が本当に満足できるサービスを提供できれば、わざわざお金を払ってお願いする必要はないと考えています。
私たちも、本当に美味しいと思った飲食店や、素敵な体験を提供してくれた宿泊施設があれば、知人に「ここ、良かったよ」とおすすめしますよね。逆に、自分が満足していないサービスを人に勧めるのは、お金をもらっても気が引けるものです。
お客様に満足いただいた結果、利益が出て、会社経営が安定する。得た利益を、より便利で安心なサービスが提供できる体制へ投資する。こうした好循環を作ることを常に意識しています。そのためにもまず、お客様と接する一人ひとりが「いかにお客様に感動いただけるようなサービスを提供するか」を意識しなければいけません。お客様に「RENOSYで買ってよかった」と思っていただくことが何よりも重要なのです。
そのとおりです。また、得た利益をお客様、そして社員に還元することが、健全で持続的な会社経営につながります。お客様への利益還元としては、契約後のプロパティマネジメントが挙げられます。これは、お客様がベストな資産運用を実現するために、最も大事な部分と言っていいでしょう。購入いただいたあとのフォローが拡充すれば、セールスももっと自信を持ってご提案できます。
GA technologiesは「テクノロジー × イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」というOur Ambitionを掲げています。お客様にとっては、正直GAグループが世界一かどうかは関係ないと思いますが、僕は「お客様満足度」という点で世界一の会社になりたいと思っています。規模や売上など、それ以外の指標はあとから勝手についてくるオマケに過ぎません。
お客様、社員、取引先。すべてのステークホルダーの満足度をいかに上げられるか。経営者として、執行役員として考えるのはこの点に尽きます。
カスタマーサクセス、つまりお客様に成功していただくためには、その成功体験を生み出す社員に目を向けなければいけません。お客様と直接お会いするセールスを始め、バックオフィスに至るまですべての社員のエンプロイーサクセスが必要です。メンバーが疲弊していては、安定したサービスの提供はおろか、持続的な会社経営は不可能です。経営基盤を安定させ、社員が働く環境の整備を進めることが、お客様満足度を高めることにつながります。
私がGA technologiesグループへの参画を決めたのは、GA technologiesが持つコンテンツや仕組み、信用力をリコルディ社員のために活用できると考えたからです。リコルディのミッションは、お客様が「自身のライフプランを自由に選択する為のオーナーシップ形成を支援する」ことです。お客様の理想とする人生や、本当に大切なものを明確にしていただくことを重視していますが、これは社員に当てはまります。社員への投資は私にとって非常に重要なポイントです。
GAグループが重視する価値観、GA GROUP SPIRITの「HEART」ですね。
世の中には「ギバー」と「テイカー」がいます。このうち「テイカー」は時間やお金、メンタルのエネルギーなどさまざまなものを奪っていく人たち。組織運営やコミュニケーションにおいて、テイカーを排除していく事は非常に重要なポイントだと考えます。
一方の「ギバー」は与えるだけの自己犠牲になりすぎず、投資したものが適切に返ってくることも考えて行動できるバランス感覚が必要です。自身の健康を削ってまで働けば、長期にわたって高い価値を提供することは難しい。繰り返しになりますが、社員一人ひとりが自身の理想のライフプランを考え、そこに向けて進んでいく強さ、そのオーナーシップを形成してくれることを望んでいます。
また、私はこの世界は「等価交換」の原則があると考えています。これは「自分が提供したものと等しい価値のものしか得られない」ということ。つまり、お客様に感動していただきたいと思うなら、自分の人的資本を高めるほかありません。採用や育成において、「お客様のために、自己投資ができる人材かどうか」は非常に重視しています。
はい。カスタマーサクセス実現のためのエンプロイーサクセス、外部とのアライアンスなど、幅広い視点から課題に取り組んでいきます。精密な人間ドックのように、組織が健全かどうかを都度確認し、問題があれば対症療法ではなく根本的な解決をする。そのために仕組みや業務フローの変更はもちろん、社員のサービス提供への考え方やスキルなど、足りないものはどんどん補っていきます。
問題のない完全な組織は存在しません。しかし、お客様に感動いただけるサービスを提供するために、改善できる点はたくさんあると思っています。
ビジネスパーソンの悩みは「お金」「仕事」「健康」「趣味」の大きく4つです。資産形成は「お金」の部分にあたりますね。これまで私は「他の3つの課題を解決するサービスと、それらを結びつけるプラットフォームを作りたい」とずっと考えてきました。
GA technologiesグループは、M&Aや新規事業によって、売買・賃貸・リノベーション・保険などすでにたくさんのサービスがあります。まずはこれらのサービスを、もっと有機的につなげていきたいですね。新しいサービスももちろん検討しますが、既存のものを組み合わせるだけでも、もっとお客様に喜んでいただけると考えています。
RENOSYで悩みがすべて解決できるようになれば、お客様にとってかけがえのないパートナーになれる。お客様にとって本当に価値あるサービスは何かを考え続け、新たな取り組みを進めていきたいと思います。
写真:今井淳史
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