5月18日、ついに改正宅地建物取引業法が施行されました。この不動産業界における大きなターニングポイントに合わせて、GA technologiesでは統合型キャンペーンを実施しました。今回は、そのキャンペーンでPMを担った新卒4年目のメンバーに話を聞きました。
今やネットで不動産を探すのは当たり前ですよね。さらにコロナの影響もあり、内見や申込のオンライン化は進みつつあったものの、契約手続きに関しては法によってオンライン化ができない状況が続きました。今まで何度も店舗で対面で説明を受けたり、多くの書類のやりとりを経験された方も多かったと思います。
しかし今年の5月18日、ついに改正宅地建物取引業法(以下、宅建業法)が施行され、オンライン上で不動産契約が完結できるようになりました。私たちは、不動産情報の検索・面談・契約など、不動産を賃貸・売買するために必要な手続きがすべてネットで完結できることを「ネット不動産」と呼んでいます。
2021年5月にデジタル改革関連法案が可決し、1年以内に施行されることが明らかになりました。今年5月までに改正宅建業法が施行されることと、RENOSYのマイページに新機能を追加する準備が進んでいたこともあり、会社としてこのタイミングでPR施策を打とうということになったんです。
キャンペーンの実行が決まったのは、2021年末。年明けすぐに施策の内容をチームで考え、経営陣からGOサインが出たのが1月頭です。キャンペーンの第一段が世に出るのが4月半ばだったので、企画から実行まで4ヶ月弱しか準備時間がなかったことになります。
広告代理店でさまざまなプロジェクトに関わってきたCCOの川村さんも「これを4ヶ月でやるのか」と言うほどのレベルでした(苦笑)
最終的な目的は「RENOSYの認知度拡大」。そのためにフェーズを2つにわけて施策を展開しました。
1. 「ネット不動産」という新しい概念の流通・浸透
2. 「ネット不動産は、RENOSY」という中心サービスとしての認知拡大
僕が体験した中では最大規模でしたし、広告も関わるプロジェクトのPMは初の挑戦でした。
僕はPR担当になる前に、コーポレートサイトのリニューアルなどのPMを担当していました。当時の経験から、全体管理は庶務や突発作業が発生しやすく、時間的にも体力的にも一番負担がかかるポジションだと感じていました。
RENOSY PRチームでは、新卒は僕だけで、他のメンバーは前職でのPR経験が豊富。それなら、みなさんにはスキルを発揮できる領域で全力を出してもらったほうが、チーム全体の効率を考えたときにベストだと考えたんです。わからないことだらけですが、とにかくやってみようと思って。
はい。PMにプラスして、各施策ごとにメイン担当を決めていたので、僕は特設LPと広告もメインで担当しました。全体管理と個別の施策を進めるのは大変でしたが、いい機会なのでやってみようという気持ちでしたね。
まず第1フェーズの目的は、「ネット不動産」という新しい概念を流通・浸透させること。「ネット不動産」という単語、そしてそれは一体何なのかを多くの人に知っていただくことを目指しました。
「宅建業法の改正により、契約書類の電子交付が可能になり、不動産の賃貸借・売買契約のオンライン化が実現しました」と言っても、不動産業界にいない人にとっては全然身近じゃないですし、正直興味もないトピックだと思います。でも業界関係者にとっては大きな出来事で、実は非常に多くの人に影響するビッグイベントです。
そこで「ネット不動産」という単語で、多くの人にこの変化を知ってもらおうと考えました。今回の法改正でこれまでの顧客体験が変わること、すべてがオンラインで可能になるということを正しく伝えるのが重要なポイントです。
これまでにも、ネット銀行やネット証券のように、従来から存在する巨大産業にインターネットが掛け算されて市場が拡大したケースはたくさんあります。これらを例にとり「ネット不動産」というキーワードを生み出しました。業界内の狭い話題ではなく、広く世の中にとって身近なテーマになるように、この新しい概念を普及させようとチームで考えたのが出発点です。
ネット不動産という単語を初めて世に出したのは、2022年3月の決算説明です。そして、RENOSYのマイページ上で電子契約が可能になったのが今年4月のことでした。
さらに、ネット不動産のムーブメントを作るために、4月に日経ビジネスと新R25でタイアップ記事を出しました。他にもRENOSYマガジンや、企業公式note、GA MAG.などのオウンドメディアでネット不動産に関する記事を出したり、オンラインイベントも開催しました。
このように、「ネット不動産とは何か」というそもそもの概念や、今後どうなるかという予測などを多数の媒体で発信していったのが第1フェーズです。さらにクローズドでは、国交省や記者との情報交換などを実施していました。
第2フェーズでは、「ネット不動産は、RENOSY」というフレーズを積極的に出していき、ネット不動産のメインプレイヤーとしてRENOSYの名前を知っていただくことに注力しました。
そのために、染谷将太さんを起用したCMを制作し、5月16日の週からさまざまな広告展開を開始しました。OOH、いわゆる駅内広告や街頭広告を期間限定で集中的に実施しました。
ほかにもタクシーやTVerへもCMを展開しました。内容的にも、テレビをよく見る方にも楽しんでいただける演出にしています。
RENOSYとして初めてタレントを起用したこともあり、キャンペーンLPも開設し、プレスリリースも実施しました。第1フェーズに比べ、大規模に広告を展開したのが第2フェーズの特徴です。
とにかく時間がなかったことですね(笑)。かなりスピーディに物事を決めて動かないと間に合わないスケジュール感でした。短期間ですべてやりきることが何より大変でした。
ただ、施策全体をやる中で、社内で誰かしら経験のある人がいたことは非常に大きかったです。聞けば誰かが教えてくれる環境だったことは大きいですね。
例えば、デザインは社内のクリエイティブチーム、メディア周りの対応は同じRENOSY PRチーム、広告はマーケティング部というように、各部署から力を借りることができました。そのおかげで乗り越えられたといっても過言ではありません。
この規模のキャンペーンだと、普通は広告代理店が全体を仕切ると思うのですが、社内の経験者が協力してくれたおかげで、ほぼ社内でやり切れました。僕としても非常にいい経験になりましたね。
今回のキャンペーンでは「不動産取引が変わる」「ネット不動産、解禁」などと、今まさに変わっていくぞというメッセージを出しています。一方で、まだ法改正の施行後すぐなので、「実際にこう変わったよ」という内容を発信できるのはもう少し先になります。ネット不動産の解禁以降、つまり今後どんな内容を訴求するか自体を考えていくことが、今後のフェーズでは非常に重要になってきます。
法改正で電子契約が可能になったのは、ネット不動産のあくまでスタートライン。これを機に、オンライン完結の不動産取引サービスがどんどん現れ、向こう数年で淘汰が進むと予測されます。そんな業界の過渡期に、サービス広報として発信に関われるのは非常にラッキーだと感じています。
不動産業界が今まさに変化の真っ只中ということに加え、隣接する金融領域では、ローンや登記などの手続きはまだまだ変わる余地がある。これも面白さのひとつですね。さらに社内を見ても、RENOSYのサービス群はすべて今後さらに大きく変わる可能性のあるものばかりです。
めまぐるしい変化についていくのは簡単ではありません。でも大変さ以上に、その渦中にいるのが純粋に面白いんです。国としても、不動産IDなど業界の変化を推進しようとしており、他社もどんどん新しい取り組みを始めている。キャッチアップしなければならないことが多く、複数のロードマップを作って考えないといけないことばかり。だからこそ面白いんです。
とくにRENOSYは、GA technologiesグループの代表プロダクトです。責任感や情報量、挑戦のしやすさは他のサービスと比べても大きいと思います。国、業界、会社、サービスなどそれぞれが大きく変わっていく状態だからこそ、チャレンジできることが多い。こんな環境はなかなかないと思います。
さらにRENOSY単体だけでなく、RENOSY PRチームはRENOSYと名のつくグループ会社も守備範囲に含まれます。つまり各社の状況も知っていないといけません。RENOSYが一気通貫の不動産取引を掲げているからこそ、それぞれの会社で事業内容はまったく違います。知るべき事業、やるべきタスク、挑戦できる範囲の幅広さは日々感じていますね。
今はこのすべてを2人で担当しており、互いのリソース状況を随時共有して対応しています。正直、人手が足りておらず、やりたいことが全部できないのでもどかしさがあります(苦笑)。一方で広報としてRENOSYに関わっている以上、すべての企業とサービスについて理解し、人にわかりやすく伝えられるようになっていないといけないのが、大変でもあり面白いところです。
だいたい3パターンですね。
まずは、とにかく現場の人に聞くことです。気になることがあればSlackですぐに質問しますし、聞きたいことがたくさんある場合は打ち合わせをお願いしてまとめて聞いています。
次に、各事業ごとの定例会議にはすべて参加させてもらっています。参加できない場合は後日議事録を見るなど、できるだけ早くキャッチアップできるようにしています。
最後に、企画部門の社内資料がConfluenceにあるので、それを見ることです。資料が変更されたらメールで通知が来るように設定してあり、届いたら必ず見ています。
GAはとにかくスピーディなので、何かあればすぐにキャッチできるようにと考えてこの3つになりました。
僕は2021年4月にPRチームに異動しました。当初は事業部とPRチームで定例会議を設定しようと思っていました。しかし、企画部門の資料や議事録はほとんどConfluenceやGoogleドライブなどにまとまっているため、基本的な情報はドキュメントから収集し、不明点や気になる点などを別の場で質問する仕組みに変えました。
社内の巻き込みを特別意識しているわけではありませんが、疑問があればとにかくすぐに確認して解決するようにしています。これは新卒でGAに入社したときから変わりません。
僕は2019年新卒ですが、2018年からインターンとして業務に関わっています。入社当時は社員も150人程度でオフィスも狭く、部署が違ってもお互いに顔がわかっていたので、なんでもすぐに聞きに行ける環境だったんです。その感覚が今でも続いていますね。自分で調べられるものは調べつつ、躊躇せずすぐに聞きにいきますし、みんな嫌がらずに教えてくれるので助かっています。
もっと一般の人にもわかりやすく、RENOSYの情報を発信したいです。正直、今の発信内容では、まだまだ不動産業界に詳しい人でないとRENOSYの目指す世界観や全体像が伝わりづらいと感じています。プレスリリースやサービスサイトだけだと、僕たちが伝えたいことの一部しか伝えられません。ここからさらに踏み込んで、意外な一面や魅力を知ってもらう取り組みを考えて実行していきたいと思っています。
さまざまな企業の事例を見ながら、今のRENOSYに何が必要なのかを考えるのが、難しくも楽しいですね。また、メディアプロモートの経験が豊富な方が来てくだされば、そうした視点からも新しい角度の企画を作れるのではないかと思っています。
RENOSYのPRを1年弱経験して、できることも増えてきましたが、まだやるべきこと、やりたいことはたくさんある。それをどんどん試したいです。一般的なプレスリリースだけでなく、広報としてできることにはなんでもチャレンジしたい。できることを増やして、より多くの人にRENOSYの魅力を伝えられたらと思っています。