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【忙しい人のための新規事業発想法】GA BOOSTER 勉強会レポート

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GA Booster

Feb

25

Tue

WORDS BY古川 岳人
POSTED2020/02/25
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はじめにINTRO
DUCTION

こんにちは!GA MAG.編集部の古川です。

3回目の開催となるGAグループの社内新規事業コンテスト『GA BOOSTER(ジーエーブースター)』を追うシリーズ。今回はGA BOOSTERの予選に向けた勉強会「新規事業アイデアの出し方」の様子をお届けします。

GA BOOSTERでは、社員がより新規事業コンテストに応募しやすくするために勉強会を計3回ほど開催しました。今回お届けするのは「新規事業アイデアの出し方」です。勉強会では、GA BOOSTERの責任者を務める新規事業開発室長 溝内良輔が講師を務めました。

30名以上集まったこの勉強会では、実体験に基づいた手触り感のある解説が行われ、忙しいながらも新規事業立ち上げに携わってみたい方にはうってつけとなっています!
社員からの評価も高く、読んだすぐに実践できる内容ですので、ぜひご覧ください。

PROFILE
  • 新規事業開発室 室長
溝内 良輔
ベンチャー投資会社で20を超える新規事業開発を経験し、2012年に賃貸アパート・賃貸マンションの空室対策に特化したリフォーム・リノベーションを扱うイエスリノベーション株式会社を創業。その後、2019年にGAグループへ参画した。

今回のGA BOOSTERのこだわり

溝内(新規事業開発室 室長)

第3回GA BOOSTERということで、今回のGA BOOSTERでは数を集めるところにチャレンジしたいと思っています。数を集めようとした時に皆さんのハードルになるのは、みなさんお忙しいということです。例えば、どのように新規事業を企画すればよいのかについて勉強する時間は取れないんだろうなと想定しています。忙しくてわからないものって、誰も取り組まないと思うんです。

なので、忙しいけど簡単なプランは出せるような基礎的な知識は、勉強会を通して発信していこうと思っています。3回ほど勉強会を組ませてもらっている形になっています。

今回はとても初歩的な新規事業の考え方についてです。新規事業の企画を経験したことがある人は退屈かもしれません。退屈なのかもしれないけど、初歩の初歩のめちゃめちゃ重要なことです。

今日のゴールは、アイデアを生み出す方法を身につけることです。ビジネスモデルやプランに落とし込むための入り口がわかるような回にしようと考えています。

誰でもアイデアは出せる

最初に言っておきますと、アイデアって勝手に湧き出るものではないんですね。僕も初めは新規事業のアイデアを企画する才能がなくて、前投資ファンドで働き始めた頃にいきなり「考えろ」って言われても難しいなあと思ったりしていました。革新的なイメージが降ってくるなんて思わない事が大切です。

「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
出典: ジェームス・W. ヤング「アイデアの作り方」

この格言が非常に好きなのですが、世の中のすごいイノベーションも基本的には組み合わせなんです。何らか既存の要素を掛け合わせるものでしかないので、何か独創的に全部考えなきゃなんてハードルは感じなくて大丈夫です。

アイデアで一番重要で一番シンプルな「型」

では、どのくらいのハードルかと言いますと、新規事業の一番最初の企画書って小学生でもわかる書き方でいいんです。これが実は皆さんできていなくて、結局大事なのは「誰に何をどのように提供するサービスですか」というものを描くことです。

これらが漏れなく書かれているプランは結構少ないんですよね。なぜかというと、皆さん生きていれば「何を」という部分は日常生活で浮かぶと思います。こういう店やったら流行りそうとか、こんなサイト作ったら人集まりそうとかですね。でも、この「何」ではなかなかビジネスコンテストの選考は通らないです。

「何を」から思いついても良いのですが、その場合は「誰」の「どんな困っていること」を解決するのかという部分と、それを「どうやって」提供するサービスなのかっていうのを3つセットで作ると精度の高いプランに見えます。この3つを必ず漏らさないようにしてください。

プラスして、ここまでやってもらえれば予選としては問題ないという話をすると、「なぜ」というところまで考えて欲しいです。例えば、流行ってるからタピオカやりますって言われてもGAとしてはやらないでしょう。意義がないからですね。なぜGAがそれに取り組むかっていうところを考えて欲しいです。あと、「いつ」やるかっていうのも結構大事です。早すぎるとか遅すぎるみたいな事例はよくあるます。タイミングも重要です。

考え方はぶらさない

これで抑えるべきフォーマットは見えてきました。では、それをどうやって埋めていくかというフェーズになります。ここで重要なのは、最初考えるにあたって軸となる起点を定めることです。ここがぶれてしまうと途中で訳がわからなくなるので、どちらを軸にしようというのを決めてとっかかるのをオススメします。

一つの方法はプロダクトアウト

こんないい製品を誰に売っていこうかという考え方ですね。これは難易度が高いやり方です。よほど素晴らしい技術とかじゃないと、受け入れられる市場があるかがわからないので難しいです。頑張って製品を作ったのに誰にも受け入れられなかったということが世の中普通にあるので気をつけてください。特許を持っているとか製品・技術において特異性があったらいいかもしれないですが、基本的に難しいです。

普通の人はマーケットインで考えるのがいいでしょう。

この二つの方法はそれぞれリスクがあります。プロダクトアウトだと、求められるマーケットがあるかわからない。マーケットインだと、解決策が作れるかどうかがリスクになってきます。なので、起点はどちらでも問題はありません。素晴らしい製品があるっていう人はそれでやればいいし、ない人はマーケットインで考えるといいと思います。

“不”を洗い出してニーズを見つける

ではマーケットインで考えたとしましょう。次どうするかというと、まず”不”をとにかく洗い出せという話になってきます。

この洗い出しにもステップがあって、1つ目は自分が不便とか不満だと感じているか、次は身近な人、最後に大きい視点で行くと社会全体で考えるのような形です。その中で難易度が高いのは社会全体で考えるものですね。

昨日新卒採用のウィンターインターンがありまして、そのお題が新規事業作るというものでした。3チームから1プランずつ出てきたのですが、1つのプランは完全に自分軸のものでした。話としては、海外から留学生に対して日本の不動産屋は対応しなかったそうです。その時その子はめちゃめちゃ困ったという自分軸での経験があったんですね。そしたら、結局そのプランが優秀賞を取ったんです。

他には社会全体から考えたプランもありました。ただそれはあまりにその発案者から遠いテーマだったので、全て想像で描くしかなくなる状況でした。結局そのチームの案は、既に市場に存在するサービスとあまり変わらないようなものになってしまっていました。最後のチームは身近な人の軸でした。確かにそこで話していた課題はリアルに存在しそうでしたが、出てきた案を見てみると、検索すればいくらでも出てくるものだったんです。

何が言いたいかいうと、”不”を考えるときは一番わかりやすいのは自分に近いものだということです。ただ、不便だったり不満だったりするものがあったとしても、それが小さかったらお金出さないですし、一生に一回のものでもお金払わない。自分だけ感じている不満かもしれないなどは考えてみて欲しいと思います。

この”不”の先鋭化は特に時間をかけて欲しいと思っています。そしてそれに加えて、不便不満を洗い出したときにお金払ってでも解決したいのかを考えていただきたいです。裏返せばこれがニーズとなるので。

ターゲットを絞ればニーズは異なる

今まで話したように不満を洗い出した時に、その不満が漠然としていて、こんなものでいいのかなと思う時があります。そのように課題とかニーズに対してしっくりこない場合に使える、ターゲットとすべき人は誰なのかを具体的に考える考え方があるので、それを紹介します。

例えば、家を借りる人って言っても漠然としていますよね。家を借りる人の中でも、日本人・外国人、男女、学生社会人、所得差、外国人の中でも就労者と学生などの区分けがあるじゃないですか。家借りる人で考えると何にも浮かばないけど、留学生って考えると出やすかったり、高所得の人って時どんな視点で家を探すんだろうとか考えるとニーズが出てくるかもしれませんよね。

家借りる人という大きな括り方だと一緒なのに、外国人と日本人の高所得者って全然ニーズが違うっていう事が往々にして起きるんです。このように、課題がシャープにならない時はターゲットを深めてみるといいと思います。

他には、リフォームを検討する人といっても漠然としたニーズしたものになってくる。自分用の家とそうじゃないのかで変わってきますよね。貸す用だとしても、住宅や店舗、住居の中でも単身向けも家族向けと分ける事ができます。それぞれの区分ごとに見てみると課題は全く違うわけです。お気づきかもしれませんが、この貸す用で単身者向けというところで私が実際に事業を始めたのがYES RENOVATIONです。

ターゲットを絞り込むことによって課題が見えてくるというのは是非覚えておいてください。

顧客目線で必ず検索!

ターゲットと課題が見えてきたら、やっとこの段階で「何」を提供するかを考えて欲しいと思います。何度も言いますが、サービスから考えてもいいですけど、それなら誰がターゲットでどんな課題でどんなニーズなのかって戻って考えて欲しいです。

そして「何」に対する案を思いついたら、お客さんの気持ちになってネットで検索してみてください

大体のサービスはすでに市場にあったりするので確認しましょう。そうしないとプラン考えた後に普通にあるよねとなってしまいます。よくビジネスコンテストでも、既存のサービスと何が違うんだろうというものがあったりするので、是非検索かけてみて欲しいです。

ただ、大体似たような事業・サービスがあるのは悪い事ではありません。それらの事業で解決できていない課題もあるはずなので、それを考えていくようにすればいいんです。逆に、検索しても何もなく、競合がないとなると、それは市場がないという意味かもしれないです。例えば、法的に無理であるなどの可能性があります。

こういったことを考えるためにも、既にあるかないかを検索して欲しいなと思います。既存のサービスがある場合は、全く同じ事業をやっても意味ないので価格なのか、品質なのか、スピードなのかわかりませんが、いずれにしろより価値を生み出す違いを作る事が重要となってきます。そういった時は、ターゲットに立ち返ってみて、ターゲットを絞ることをまた考えてみてください。

プロセスや売り上げを砕いて考える

もう一つ、サービスとか考える時にプロセスを細分化して考えてみることは有効なので、その考え方を紹介します。

例えば、飲食店にご飯を食べに行くって考えた時のプロセスを分解してみましょう。図を見てください。飲食店の予約で何が課題だろうと考えるより、プロセスに分解してみるとここが問題、ここをテックにすれば便利になる等容易に考えられるようになります。

例えば比較検討のところで、情報がバラバラで探しにくいなという課題に対して、クチコミサイトで比較が一気にできるような形が実際存在していますよね。プロセス分解はぜひやってみてください。

また、行動のプロセスを分解するだけではなくて、売り上げを作る計算式を分解してもヒントがみつかるかもしれません。例えば、「客数×単価」で売り上げが構成されているとすると、従来よりも単価を下げて多くのお客さんにきてもらえるモデルを構築できれば、新たなビジネスになりそうですよね。

客数・単価など売り上げを構成するところは、考えてみるといいと思います。

また、参考のツールなのですが「オズボーンのチェックリスト」というものがあります。

  • 転用 他の使い道はないか?
  • 応用 他からアイデアを借用できないか?
  • 変更 変えてみるとどうなる?
  • 拡大 大きくしたらどうなる?
  • 縮小 小さくしたらどうなる?
  • 代用 他に代用できるものはないか?
  • 置換 入れ替えてみたらどうなる?
  • 逆転 逆さにしてみたらどうなる?
  • 結合 組み合わせてみたらどうなる?

アイデアを思いついた時に、パッとしないと思ったら、この9つのプロセスで思考してみるといいものが出ることが結構あるんです。

言葉にしたらわかりにくいですが、例えば「代用」だと、今まで人が介在していたものをテックで置き換えるであったり、「逆転」であれば、「座って食べていたものを、立って食べてもらおう」などの考え方ですよね。このように9個に当てはめて考えてみるといいプランが出てくることがありますので、ぜひ使ってみてください。

これらを紹介してきましたが、こういったアイデアの手法から発想するのはよくないです。「誰が困っていることを解決するのか」というところを考えてから、「何を」の部分を考えてみてください。これが良いプランを作るコツです。

最後ですが、プランができたなと思ったら、ぜひぐるぐる思考を回して欲しいと思います。「誰に」とか、「どのように」とかを行ったり来たりしながら、ぐるぐる回って考えて欲しいです。

一番最初に話した通り、「誰に」「何を」「どのように」というところをちゃんと埋める事ができればいいプランになると思います。

以上で、終わります。ありがとうございました。


「忙しい人のための新規事業発想法」と銘打った今回の勉強会、いかがでしたでしょうか。これを丁寧に再現すれば、新規事業アイデアを考えることができる学びの深い勉強会となりました。

GAテクノロジーズはより新規事業を拡大すべく、これからも挑みます。これからのGAの活躍にご期待ください。

では、またお会いしましょう。

EDITOR’S PROFILE
  • Communication Design Center
  • 21卒内定者インターン
古川 岳人
2021年4月に新卒でGAテクノロジーズに入社予定のインターン生。
Communication Design Centerにて広報やイベントの運営などに携わっています。
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2020/02/25
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