Mar
19
Thu
こんにちは、GA MAG.編集部の千葉です。
今回は、社内限定ECサイト「THE STORE(ザ ストア)」をご紹介します。
昨年10月にオープンしたTHE STOREは、「Tech Portal」、「GA News Network(GNN)」と並ぶ社内コンテンツです。
THE STOREは、「いま買えるGA」をコンセプトにGAグループのオフィシャルグッズを販売しています。販売されているアイテムは定番のTシャツやスマホケース、そして自転車まで幅広く取り扱っています。
また、今年からは社内限定にも関わらず、2020SS/AWCollectionと題して、実際のアパレルブランドのような商品企画を行っています。
そんなTHE STOREに本気で取り組んでいる運営メンバーで座談会を開催しました。
川村:
もともとTHE STOREの構想より遥か前からグッズはたくさん増やしていきたいと思っていて、近藤さんがTシャツとかトートバッグとか色々作ってたんだよね。日頃から身に付けることで会社やブランドに対する愛着が沸くようになったらいいなって。
藤本:
それで、前の恵比寿オフィスの時に無料でTシャツ配ってたんですよ。そしたら長蛇の列ができるほど人気で速攻品切れみたいな状態で。これだけ人気があるならお金払っても買うのでは?というアイデアが上がって、まずは試験的に手売りで始めたんですよね。それが100枚以上売れて、これはいけると。
川村:
でも手売りだと管理が大変だったよね。あの時、交代で店番やってたじゃん(笑)
藤本:
店番を採用して常設の購買部作ろうっていう話もありましたよね。それでも手売りをしていると様々な声が上がっていました。例えば、現金の手渡しや行列等、購入にかかる手間といった課題です。この課題を極限まで減らすためにECという形で運用することになりました。
川村:
最初、ECの中でも色々な選択肢を検討したよね。ECサイトを作れる既存サービスを利用してシークレットショッピング機能でやるとか。色々考えた結果、フジモン(藤本)が「内製した方が早いです。」と言うので作ってもらいました。
藤本:
早いだけじゃなく、内製のメリットは他にもありました。1つ目は貴重なデータの蓄積ができることです。サイトの訪問や購買データはエンゲージメントを測るのに重要のデータとなります。 2つ目はTech portalがあることで、アカウント情報を管理しやすいことです。アカウントは社員全員に配布されているのでデータベースへの紐付けも容易でした。さらに機能やコンテンツの追加等、エンハンスすることを考えると内製するメリットの方が大きかったです。
藤本:
当初から、とにかく外に出しても恥ずかしくないレベルのハイクオリティなUI、UXを実現したいと考えていました。
山本:
デザインではシンプル且つわかりやすさを意識しています。あくまでも主役は商品なので、サイトの構成やボタン等はシンプルに、無駄なものはなるべく削ぎ落として商品に目がいくようにしています。
藤本:
UXでは、手売りの時にあがった、購入にかかる手間を安心且つスピーディに解消できるように設計しました。まず、決済は給与天引きのみにしています。現金の手渡しは当初から手間だったし、カード決済はセキュリティ面の懸念がありました。そこで総務と何度も打ち合わせを重ね、給与天引き決済を導入することができました。その他の必要情報はTech portalと紐づいているので、入力が必要な箇所はほとんどありません。商品の選択からクリック4回くらいで購入できる手軽さがこだわっているポイントです。あとは物流の部分で濱野さんに入っていただけたのが大きいと思います。
濱野:
私は前職がオープンロジという物流関係の会社だったので、そのサービスを紹介しながらTHE STOREにおけるサプライチェーンの整理をやらせていただきました。メーカー、オープンロジ、THE STOREが物流の観点でどのように繋がるかであったり、API連携の部分でサポートしています。
藤本:
倉庫がAPIで連携されているので、在庫を抱えず、入庫から出庫までスムーズに商品を届けることができています。この部分を濱野さんに協力していただいたおかげで、コストを抑えながら運営することができています。
川村:
そのオペレーションまで組んでるのって結構やりすぎだよね笑
近藤:
商品企画としては、今年から2020SS/AWモデルというカタログの運用を始めました。1年を通して商品のリリースのタイミングやバランスを見て計画を立てています。直近ではSS(春夏)のラインアップを発表しました。
山本:
THE STOREの商品は完全受注生産なので、商品が届くベストな時期から逆算して新商品を発表しています。年明けすぐには春物をリリースし、今月は夏物をリリースしましたね。
川村:
普通にアパレルブランドみたいな感じ。コレクションやルックブックを見て、いいなと思ったものに目をつけておいて、買うみたいな。秋冬の物を7月くらいに買って3ヶ月ほど着れなかったりするけど、そういうのと同じ感覚で、先にリリースされるものが公開されていて、売約を入れていくというようなイメージ。
近藤:
商品を作る上でも、質にはとことんこだわっています。一般的な会社のグッズって例えば生地が薄くて透けちゃうとか、チープなイメージがあるじゃないですか…。会社のエンゲージメントを高めることを目的にしているので、着心地やデザインがチープな商品はそぐいません。そのために取引しているのは、実際のアパレル企業に卸しているような業者さんで、そういった質へのこだわりは突き詰めています。
山本:
サンプル取り寄せても、生地が薄かったり仕上がりに納得がいかないと商品化はしません。
近藤:
あと、質にこだわる理由はもう一つあって(笑)樋口さんが生地にこだわりを持っているようで、Tシャツとかはフィードバックがくるんです。「この質(以上)じゃないと作って欲しくない」という意見は、制作の上で採用する生地の基準になっています。
山本:
その基準を理解するために色々と勉強したよね。
近藤:
オンス(生地の厚みを表す単位)とか番手(糸の細さ)で肌触りが全然違ってくるんです。
山本:
このオンスならいけると思ったら、同じオンスなのに生地が薄いこともあったり。
藤本:
サイトとか商品によってとか、色によっても違うときあるよね。
近藤、山本:
全然違う!
近藤:
書かれ方が一緒でも何かが違うというのはやっぱりどこか違くて、例えば生地の染め方1つでも見え方や色合い、艶感も全然変わってきます。やっぱり商品の性質として、結構シンプルなデザインが多いからこそ、こういった質へのこだわりは妥協できないですね。
山本:
営業さんが着ても、お客様に失礼のない素材を意識しています。
濱野:
サイトはUXが凄く良くてクオリティの高さに驚いています。物流のAPIも全て組み込めるエンジニアが運営にいることも貴重だと思うので、さらにより良いTHE STOREを作っていきたいですね。
藤本:
他の会社だったら、馬鹿げていると言われて一蹴されるような企画を僕たちは本気でやっています。それを承認してくれている会社や部署としての攻め方は本当に素晴らしいと思います。今後もラインアップを増やしたり、ポイント制を入れたり、さらに活発化させて利用者を増やしていきたいです。
近藤:
本気でやっているけど、遊び心は忘れない、という感じはありますよね。
山本:
うん、すごく楽しくやっています。
川村:
GNNのインタビューの時にも話しましたが、文化を創りあげることは省エネでは絶対に達成できないんですよ。途中で断念したら文化は創れないし、お手軽にできることでもありません。最初うまくいかなくてもやり続けていることで当たり前になり、いつの間にか文化や継承されていくレガシーになっていくと思います。社内でグッズを販売するためだけに、ここまでのシステムを作る必要は本当は無いし、正直やりすぎていると思います。それでも、やりすぎているくらいな方が本気度は伝わるし、そういった常軌を逸した世界でこれからもやっていきたいです。
今回はやりすぎなくらい本気で社内限定グッズを作っている、THE STOREを紹介しました。そこまでやるの?という部分にもこだわりを持って取り組むのがGAグループの良さであり、カルチャーだと思います。
今後もやりすぎているコンテンツを発信していくのでぜひチェックしてください!
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
写真:今井淳史