こんにちは、GA MAG.編集部の千葉です。
これまでGA MAG.でご紹介してきた、GAならではの文化や社内サービスの数々。
今回はそれぞれを繋ぐ、新しい制度「社員間ボーナス」をお届けします。
一般的な社員間ボーナスは、賞賛のメッセージと共にボーナスを送り合い、受け取ったボーナスは給与に追加されるという構造です。こうしたやりとりは、専用のWebサイトやSlackのような社内チャットツールを活用するため、既製の社員間ボーナスサービスを使って、新しい福利厚生として導入する企業が多いようです。
一方で、GAの社員間ボーナスは、給与ではなく「THE STORE COIN」というもので付与されます。なぜ給与でなく「THE STORE COIN」なのか、その理由はGAグループの様々な社内コンテンツが関連しています。
簡単に、GAグループの社内コンテンツをご紹介します。
詳しく知りたい方は、GA MAG.でも取り上げているので、ぜひチェックしてみてください。
イントラネットとSNSの役割を持つ社内サービスです。会社の情報はここから全てアクセスできます。インプットだけでなく、社員にアナウンスできるタイムライン機能が備わっています。変化の多いGAグループにとって、情報が集約されているTech Portalは欠かすことのできない最重要ツールなのです。
社員間で「ありがとう」を伝える月1のイベントとして始まりました。マグネット製のオリジナルカードにメッセージを書いてポストに投函すると、翌日には相手のロッカーにカードが貼られるというもの。現在はTech Portalと連携してデジタル化されたため、いつでも感謝を送ることができます。投稿は全社員が見ることができ、「拍手」でリアクションすることができます。
社内限定のECサイトです。Tシャツやスマホケース等、GAグループのオリジナルグッズを販売しています。商品のこだわり、内製されたサイト、決済は給与天引きという、社内限定にも関わらず、やりすぎなくらい本気で取り組んでいる施策です。
こうした既存の社内コンテンツと連携させるため、GAグループでは社員間ボーナスを給与でなく、「THE STORE COIN」として送り合えるようになっています。このCoinは、社員間のメッセージだけでなく、入社や誕生日など、様々なイベントで貯めることができます。貯まったCoinは、1Coin=1円としてTHE STOREで利用できる仕組みになっています。
ここからは、まぐラッチェの運営リーダーを務める山口とこれら全てのシステムを開発する藤本へのインタビューをお届けします。今回の連携に至るまでの背景や今後の展望について伺いました。
藤本:
社員間ボーナスを導入するという構想自体は、実は2年以上前からありました。
まぐラッチェが生まれるよりも前ですね。当時はまだ社員数も少なく、結局スキップになりました。
その後2019年から今年にかけて、山口君を筆頭に企画されたまぐラッチェが、感謝を送り合う文化として定着しつつありました。
GAGS(※)のHEARTにも「感謝を忘れない」という項目があり、感謝をするということは会社の行動指針としてとても大事にしていることです。
(※)GAGS(GA GROUP SPIRITS):
GAが会社として大事にしている価値観。GAグループメンバーがMission/Visionを実現するために日々意識する行動指針。
WILL – 強い意志
PROFESSIONAL – プロフェッショナルである
WIN-X – 共に勝つ
HEART – 人としてちゃんとしよう
GRIT – やり抜く力
山口:
僕たちは、マグネットに感謝のメッセージを書いて送り合うというシンプルなアイデアを運用しながら、社員間で浸透させることをミッションに活動していました。毎月1回の運用で、当時は社員数約300人の内、多いときには9割近い人が参加してくれていました。
結果的に、現在では社内でまぐラッチェを知らない人はほとんどいないのではないかな、と思います。
その一方で、運用的に毎月1回実施するのが精一杯だという課題もありました。利用する側としても、送りたいときに送り合える方が体験として良いですよね。
藤本:
あと、メッセージをそれぞれのロッカーに貼るのも画期的なアイデアだったのですが、人のロッカーをまじまじと見る機会はほとんどありません。結果的に可視化できていないという問題もありました。
山口:
そこで、まずはまぐラッチェの文化がある間に一旦デジタル化してみようという話になりました。この時はボーナスは付けず、Tech Portalとまぐラッチェを連携していつでも送り合える状態を作りました。
藤本:
2019年12月にTech Portalとの連携をリリースしました。いつでも送れるようになったものの、今度は一定の人しか使わないという新しい課題が生じました。月を追う毎に利用者は減っていき、90%近くいた参加者は2020年の4月には投稿率が9%にまで落ち込んでしまいました。
このような状況から、お互いに送り合うのが当たり前になるような文化にしていくための仕掛けとしても、社員間ボーナスを導入しました。
藤本:
5月にリリースして、着々と利用者は増えてきました。
4月に9%まで下がっていた投稿率が5月は25%、6月は45%まで回復しました。
山口:
拍手でリアクションしてくれているユーザーを合わせるとどのくらいでしたか?
藤本:
65%くらいですね。現在は各部署にまぐラッチェを推進してくれるメンバーがいます。そうした活動を通じて徐々に増えている状態です。でもまだまだ。
お願いすると一時的に数字は伸びますが、習慣にはなりません。
感謝をする機会を自分から見つけ、アウトプットとしてまぐラッチェを書く。
そこに向けてUI・UXの改善はもちろん、より魅力的な施策を考えてPDCAを回して改善していきたいです。
藤本:
大きな目的としては、THE STOREの販売促進があります。
THE STOREは仕入れ値で販売しており、一般的な商品よりは価格は抑えられています。それでも、中には高価格になりがちで購入のハードルが高くなってしまう商品もあります。
そのハードルをTHE STORE COINで下げて自社グッズをより流通させることで、GAグループのファンを増やしていきたいです。
藤本:
やっぱり、SaaSとかの製品はかゆいところには絶対手が届かないんですよね。
Tech PortalやTHE STOREのサイトもそうですが、自社で開発すると何でもできます。
逆に、できないという言い訳ができない。
山口:
藤本さんはユーザー視点に立つのが凄く得意な方だと思います。
一般的なアプリだと、最初のリリースは気になる部分がどうしても残ってしまうと思うんです。
でも、Tech Portalと連携したまぐラッチェを初めてユーザーとして使ったときには気になる点が一切なく、何度もリピートしてしまいたくなる気持ち良さがありました。
社内限定のサービスなのですが、ユーザー体験への強いこだわりを感じました。
藤本:
人ってこちらが考えている通りには行動してくれないし、言わないとやってくれないものは定着しないんですよね。そういった点は、体験ベースで変えていく必要があります。そのためにも、そして、プロダクトも自分自身もより成長するためにも全て社内で開発しています。
山口:
たくさん感謝をしたい人としっかり感謝をしたい人に分かれているのかなと思います。今のまぐラッチェは、たくさん感謝をしたい人にとっては使いやすものになっています。
次は、しっかりと自分の感謝を伝えたいという人にフォーカスした施策を打つことを構想として考えています。
例えば、GAには1年に2回、Greatest Awardsという全社表彰式があります。Awardsは1つの区切りであり、お世話になった方に感謝を伝えたくなるタイミングだと思います。
リアルな形として大切にとっておけるような工夫を組み合わせた施策を打っていきたいです。
藤本:
全社員にとってなくてはならないサービスにしていきたいです。
今はまだ500人くらいの規模だけど、これが2000人、3000人に増えてきた時に、一番効果が出てくると思っています。
結果的にみんなが会社が好きで、パフォーマンスが高くて、人がやめない。
そういった強い組織に近づくためのきっかけになって欲しいです。
今回は自社で開発した社員間ボーナスをご紹介しました。
単に社員間ボーナスを運用するのではなく、それぞれの施策を繋ぐ素敵な取組みだと思います。感謝と称賛、そして社内グッズの流通量が向上することを期待しています!
GAの内製文化が生み出すコンテンツは今後も注目です。
次回もお楽しみに!
写真:今井淳史
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