直前期(FY2020 2Q)の売上高は前年比156%を記録し、社員数もこの1年間で151人増加。M&A等を経て、グループ会社も7社になりました。いま急速に成長しているGAテクノロジーズ(以下GA)を支えているのは、一人ひとりの社員です。
開発やセールス、AI、マーケティングなど最前線で働く社員に目が行きがちですが、華々しい活躍は誰かの支えがあってこそ。
今回は、法務部門の部長とマネージャーに話を聞きました。
― まずはお二人の仕事内容について教えてください。
石川:GAグループの法務部門は2つのチームに分かれています。1つが「Compliance and Governance Unit」という、名前の通りコンプライアンスとガバナンスの最適化と推進を行うチーム。もう1つが鍋谷さんがマネージャーを務める「Corporate Legal Unit」で、こちらは契約書作成、新規事業の内容や業務フローに関するアドバイスのほか、各事業部が対応しきれないトラブルやクレーム対応なども行います。GAグループの法務案件に関しては、すべてこの2チームで対応していますね。
鍋谷:「Corporate Legal Unit」で対応する案件は非常に幅広く、他にも免許事業にかかわる各種法令への適正化や、電子契約に関する業務フローの構築、各子会社の法務業務等と、幅広く業務を行っております。また、社員からの法律相談だけでなく、「こんな時はどうしたら?」という個別の相談も多く寄せられてます。
― 例えばどんな相談が来るのでしょうか?
鍋谷:契約内容の確認や、お客様との認識違いから起こるトラブルなど、多岐にわたります。案件によっては、原因特定やお客様との対応などすべてに関わり、トータルで1年ほど対応しているケースも。本来の法務業務との兼ね合いもあるので、タスク管理は正直大変です。
逆に、簡単な内容はすぐに対応してあげられますが、各自が調べればわかるものまで相談が来ることもしばしば(苦笑)。法務からの全社教育をもっと実施すれば解決できるとは思うのですが、そこまで手が回ってないのが本音です。
石川:鍋谷さんは2017年にGAに入社し、法務部門をゼロから立ち上げてくれました。そのため社内からの信頼が厚く、問題が大きくなる前に法務に相談しやすい雰囲気ができたんです。
鍋谷:気軽に声をかけてくれるのは、法務としてありがたいことなんですけどね。各部署から寄せられる急な相談は、通称「SOS案件」と呼んでいます(笑)。
― 信頼されている証ですね。立ち上げ期は大変なことも多かったのではないでしょうか。
鍋谷:入社当時は、契約書管理などのルールが統一されておらず、お世辞にも褒められないレベルでしたね(苦笑)。法務としてやるべきことを定義し、稟議や押印という基礎的なことを一つずつ社内に浸透させることから始めました。気軽に相談しやすいようにこちらから積極的に声がけなどを行った結果、社内からたくさん相談が寄せられるようになったんです。
石川:私は鍋谷さんの1年後に入社しました。鍋谷さんが一人で頑張ってくれたおかげで改善された点も多かったですが、印鑑を必要な書類に押していない、書留であるべき書類がそうなっていないなど、細かいですが大事なポイントにまだ危うさがありました。これは一つずつ整えるしかない、と覚悟を決めましたね。就業規則など社内規程も、実態に合わせて直しました。何か一つ変えるにしても、当時は仕組み化されておらず属人的だったので、誰が正解を知っているかを探すところからスタート。わらしべ長者のようだと思っていましたね(笑)。
― まさに怒涛の日々だったのですね。
石川:その後マザーズに上場し、法務もメンバーが増えて体制はずいぶん変わりました。一方で事業もどんどん変わっていくので、忙しさという意味ではあまり変わらないですね。やるべきことが次々に出てくる感覚です。
― 法務は欠かせない存在である一方、専門的だからこそどんな仕事をしているかイメージしづらい印象があります。
鍋谷:たしかに法務はあまり目立ちませんが、実はGAグループすべての事業やプロジェクトに関わっています。中古マンション売買契約書の電子化なども、石川さんが調査や交渉をした結果、新しいサービスとして法的に問題なく導入できたものの一例ですね。
石川:表舞台に出ることは少ないですが、さまざまな重要プロジェクトに貢献できる仕事です。スポットライトを浴びることは少なくても、多くの人に「ありがとう」と感謝してもらえるのは嬉しいですね。
鍋谷:そうですね、GAは上場後に複数のM&Aを経験していますが、そこに法務がどう関わっているかを知る人は社内でもほとんどいないと思います。
一方で、高い専門性を持って全く性質の異なるさまざまな案件に携われるのは大きなやりがいですね。私たちのチームには、GAグループに加わった会社の管理やフロー改善を担当していたり、事業部の担当者と新しいビジネススキームを考えているメンバーもいますよ。ひとつの会社にいながら多様な経験ができるのは、急成長する会社ならではだと思います。
石川:今後は、ビジネスのスピードに追いつけるように並走したいですね。それができたら、事業部がやりたいことをスムーズに進められるよう、先回りしてリスクを潰しておきたい。新たなことに挑戦しようとすると、どうしてもさまざまな障壁が出てきますが、「法律上、こうすれば実現できる」ということが提案できるチームになりたいですね。
― 法務に求められるのは、やはり法学部出身など法律関連の知識でしょうか?
石川:もちろん専門性の高い仕事なので、法律知識が豊富であることは重要です。ただ、「最も重要」ではありません。実際、出身が法学部以外のメンバーもいますし、前職も法律事務所だったり企業法務だったりとバックグラウンドはさまざまです。
鍋谷:知識以上に、まだまだ整っていない環境をネガティブにとらえず、ひとつずつキレイにしていくことにやりがいを感じられることが重要かもしれません。GAは2018年に上場し、社員数も急速に増えているので「もう整っているのでは?」と思われることがあります。でも、実際はそんなことはありません(笑)。急成長している分、課題もどんどん生まれるので、その状況を楽しめる方が合っていると思いますね。
石川:あとは会社の成長に負けないように学び続けることを意識しています。法務はGAGS(※1)の「PROFESSIONAL」、一人ひとりが専門性を高めることがとくに求められる部署です。法改正などは随時キャッチアップする必要がありますし、勉強しないとわからないことも多い。専門家として頼られるからこそ、自ら学び続ける姿勢は忘れずにいたいですね。
鍋谷:同じくGAGSで言うと「HEART」、いわば人柄も大切です。トラブル対応ではお客様とのやりとりで人間性も問われますから。プロとして社内外の方と関わる意味でも、信頼に足る人物でありたいと思いますね。
石川:とはいえ私たちもまだまだなので、すべて完璧でなくても大丈夫です!(笑)
※1:GAGS:GAグループが働くうえで大切している5つの価値基準
― 最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
石川:どんな仕事でも分け隔てなく引き受けられる人と一緒に仕事をしたいですね。「0を1に」「1を100に」する仕事も大切ですが、「マイナスを0に」する仕事も非常に重要。GAグループが目指すのは世界のトップ企業なので、今後はもっと複雑な案件が出てくると思いますが、そんな状況も楽しめる方が合っているのかなと思います。
鍋谷:社長を始め、経営陣は「ビジネスは攻めも守りも大切」という認識を持ってくれているので、法務としてはとても仕事がしやすい環境。どんな案件もGAグループの成長に欠かせないという意識を共有し、頼れる法務として一緒に成長していける方とお会いしたいなと思っています。
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