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「X-Techのデータサイエンティストってどんな人?何してるの?」に答えます!

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WORDS BY浅野 翠
POSTED2020/11/19
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こんにちは!GA MAG.編集部の浅野です。

GAテクノロジーズでは10/13-15の3日間、新卒でデータサイエンティスト・AIエンジニア職を希望する方に向けたインターンシップ「AI Booster」を開催しました。
今回の記事ではその内容と、GAテクノロジーズが考える「データサイエンティスト・AIエンジニアに必要なこと」についてお伝えします。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

事業会社でのデータ分析を体験できる「AI Booster」

「AI Booster」は、GAテクノロジーズがデータサイエンティスト・AIエンジニア志望の学生さんに向けて2017年から開催している、3日間のインターンです。
実際に事業会社で行われているデータ分析を体験できるプログラムで、今年のテーマは「不動産価格の予測に挑戦」!少人数のチームに分かれ、機械学習のコンペティションプラットフォームであるKaggle Inclassにて物件価格の予測をしていただき、その予測精度や分析内容を競います。

講師を務めるのはAI Strategy Center(以下AISC)副本部長で、電気通信大学 産学官連携センターの客員准教授でもある橋本武彦。そのほかデータサイエンスアワード2017最優秀賞受賞のSenior DataScientistをはじめ、ベテランや19卒の若手社員などがメンターとしてしっかりサポートします。

例年は社内で開催していましたが、今年はコロナの影響で初のオンライン開催に。
当日参加してくれた学生さんは10名。直接お会いすることはできませんでしたが、オンラインで講師や社内のメンバーを交えたランチ会を開催するなど、なごやかな雰囲気のイベントになりました。

データサイエンティスト・AIエンジニアを目指す方に伝えたいこと

この「AI Booster」で毎年講師を務める橋本武彦に、「AI Booster」やAISCの採用、育成について聞いてみました。

― 橋本さんはGAテクノロジーズに入社してすぐに「AI Booster」をスタートされたと聞きました。その経緯を教えてください。


2017年4月にGAテクノロジーズに入社した当時、AISCには私を含めて3名しかいませんでした。しかも、そのうち1名は新卒入社したばかり。とにかく育成が急務だったので、新人向けの育成プログラムとしてスタートしたのが「AI Booster」の始まりです。この内容で新人が順調に成長してくれたことと、他部署のエンジニアからも評判が良かったので、「インターンとしてもいいのでは?」と思いまして(笑)。学生の皆さん向けに内容をブラッシュアップし、8月からスタートしました(※1)。

※1: 詳細(日本ソーシャルデータサイエンス論文誌 第3巻 第1号(2019年3月))はこちら

もちろんGAテクノロジーズに興味を持ってほしいという気持ちが大きかったのですが、私個人もデータサイエンティスト協会や大学でデータサイエンス・AIの教育に携わっていることもあり、「日本にもっとデータサイエンティストを増やしたい」と考えていたことも理由の一つです。

今ではAISCに入社してくれた 新卒社員のうち63%が「AI Booster」を契機に入社してくれており、感慨深いですね。

「AI Booster」は毎年2~3回実施していますが、年々参加してくれる学生さんのレベルが上がっている印象を受けます。それに合わせて、内容も何度かアップデートしていますよ。「AI Booster」を始めた3年前に比べて、データ分析や機械学習の知識がある学生さんが増えたなと思います。

― 新卒入社した社員はどんな仕事をしているのでしょうか?


人事による全体の入社研修を受けたあと、エンジニア向けの技術研修を受けていただきます。その後は先輩にサポートをしてもらいつつ、実際の業務に入ります。

お任せする仕事は人によってさまざまなので一概には言えませんが、例えばAI Boosterと同じく物件の価格推定をテーマとした「RENOSY スマート売却」というサービスの予測モデルを担当したのは、19卒のメンバーですね。

これは自分が住んでいる物件の価値を機械学習で査定できるサービスなのですが、まず分析の元となるキレイなデータを揃えるのが本当に大変でした。「不動産は高額商品ゆえに、そもそも購買データの数自体が少ない」「2,000万円のところ200万円と書いているなど誤入力も多くデータの質も高くない」など、さまざまな障壁があり、正直なところ苦労しましたね。

苦労が伝わります…

また、これは新卒に限りませんが、他部署に課題をヒアリングするだけでなく、実際の業務を体験して企画の参考にしています。加えて、分析結果を利用してもらえるようプロトタイプ開発まで行います。

このスライドを作ったのも19卒のメンバー!

ちなみに、AISCでは研究だけでなく企画とプロトタイプ開発も行う必要があると考えています。プロトタイプをビジネスの現場やお客様に利用いただくことで、フィードバックが得られ、研究の方向性を誤らず進められるためです。これは新卒中途問わず求めている、非常に重要なポイントですね。もちろん高い要望であることは承知しているので、育成機会の創出に力を入れています。

上記以外では、専門性を磨くために海外の論文の輪講も持ち回りで行っていますよ。

― 橋本さんは、事業会社のデータサイエンス組織ととデータ分析会社の両方を経験されていると思いますが、それぞれの違いはなんでしょうか?


「関与できる範囲と領域」と「自社でデータを持っているか」という点で異なります。

まず「関与できる範囲と領域」について。事業会社は、たとえばGAテクノロジーズであれば主に不動産と関連する金融、建設、保険などのデータを扱いますが、データ分析会社のように多様な業界のデータを見ることは基本的にはありません。

その代わり、事業に合わせて分析する課題を選定し、必要なデータをその中で収集する仕組みづくりから関わることができます。データを分析するだけでなくプロダクトに実装し、現場の方に使ってもらうために試行錯誤する。さらに言えば、それがビジネスにどう貢献しているかまで並走して見届けることが可能です。これはデータ分析会社では得られない経験だと思いますね。

どちらがいい悪いということではなく、自分がどちらが向いているのかを考えて選んでいただくとよいのかなと思います。

― それぞれの良さを知ったうえで選ぶということですね。事業会社でデータサイエンティスト・AIエンジニアとして働くうえで大切なことはなんですか?


私の在籍しているAISCでは、部署のミッションを「事業貢献」としています。世の中には「高度な機械学習のスキルがある」とか「最先端の研究をしている」ということに高い価値があると考える人もいますが、私からすれば、それは単なる手段にすぎません。私たちのミッションはあくまで「事業貢献」。ビジネスから逆算して研究し、手段ではなく目的を重視することが事業会社では不可欠です。

たとえばSUPPLIER by RENOSY」という、物件の仕入れ業務を効率化するシステムがあるのですが、そこでは昔からある機械学習のアルゴリズムを使っています。一方で、BLUEPRINT by RENOSY」で使っているのはDeep Learningの技術。ともに理由は明確で、「目的を達成するために、その技術が必要」と判断したからです。新しい技術だから使うなど、手段ありきで考えるのではなく、あくまでビジネス上の目的を考えることが大切なんです。

― 「最先端の技術を使うことが良い」のではなく、あくまでビジネスを成功に導くことが大切なのですね。


そのとおりです。事業に貢献するために研究をし、開発をするということですね。

また近年、AIという言葉の知名度が上がったこともあって、「AIエンジニアは、大きな施設で高いマシンを使い、なにか小難しいことをしている」というイメージをお持ちの方も多いのですが、GAテクノロジーズにおいてはそれは間違いです(苦笑)。

― 完全にそのイメージを持っていました。


AIの世界でいう「データ」は、車にとってのガソリンです。キレイで正確なデータをたくさん集めて分析に利用できるように準備することが非常に大切で、それができれば登山なら8合目に来ている状態。それくらい重要なんです。

とくにX-Techと呼ばれるテクノロジー化が遅れている業界では「データはあるが整っていない、正確ではない」のはよくあることで、「そもそもデータが存在しない」ことも多々あります。なので、整った正確なデータをたくさん集めるために、大量の紙の物件情報を読み取ってデータベースに登録したり、業務のフローやシステムにデータ取得のプロセスを組み込んでいくかなどをを考える必要もある。すごく地味だし目立ちにくいのですが、そうした地道な作業が良い結果につながります。

すべてが整った状態で分析だけに専念する、ということはなく、ビジネスの成功のために必要なことをやるという姿勢が大切だと思いますね。

― X-Techと言葉で表すのは簡単ですが、その裏には地道な努力があるということですね。最後に学生さんへのメッセージをお願いします。


GAテクノロジーズは、不動産というまだまだアナログな領域に軸足を置いています。それに加えて、今後は建築や保険という新しい領域にも踏み出そうとしている。できること、やるべきことがまだまだたくさんあるんです。自らどんどん提案し、挑戦したいという人にはピッタリな環境だと思います。たくさんの方とお会いできるのを楽しみにしています。

― ありがとうございました!

撮影:今井淳史
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。


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EDITOR’S PROFILE
  • Corporate PR
  • GA MAG.編集長
浅野 翠
2011年に早稲田大学を卒業後、インターネットイニシアティブ(IIJ)やビズリーチで人事を務める。2018年にGAテクノロジーズに入社。2020年8月より広報を担当。好物はすっぱいお菓子。
Twitter:@midoriii1221
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