2019年11月のCxO制度導入を機にスタートした新たな役員・CxO就任者へのインタビューシリーズ。当シリーズでは新任者の経歴や就任の背景、そして今後の目的・意気込みについてインタビュー形式でお届けします。
7回目となる今回インタビューするのは、新たに執行役員 Chief Accounting Officer(最高会計責任者、以下CAO)に就任した松川 誠志(まつかわ さとし)です。
私が大学に入学したのは1997年です。当時は山一証券の破綻を始め、大企業倒産のニュースが相次いだ時期でした。学生ながら「これは手に職をもたないとまずい」と感じ、数学が好きだったこともあり数字を使う職業を考えるように。その後、公認会計士の資格を取得しました。
新卒では朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)に入所し、メガバンクや地銀、ノンバンク等の監査を担当しました。金融機関の貸し倒れや不良債権など、当時の日本経済を反映したような仕事が多かったですね。大変ではありましたが、貴重な経験になりました。
その後、社内で打診を受けて金融庁へ出向。銀行の監査業務を担当していたのが関係していると思いますが、行政も知っておいたほうがいいと思い快諾しました。金融機関への立入検査や、バックオフィスにて検査官からの質問対応、検査方針の企画、検査官を対象にした研修の企画・運営を経験しました。
4年後、監査法人に戻り、同じKPMGグループのコンサルティング会社にジョインすることに。事業再生やM&Aの案件を数多く担当しました。監査や金融検査でも業績が悪化した企業をたくさん見てきましたが、そこからの再生に関われるのは面白かったですし、やりがいがありましたね。
M&Aではデューデリジェンスがメインでしたが、もっと幅広い領域に関わりたいと思うようになりました。タイミング良く、2016年に日本政策投資銀行に出向する機会をいただき、M&Aファイナンスに携わるように。M&Aの一部分だけでなく全体に関わることで知見も広がり、大きなやりがいを感じました。
日本政策投資銀行の出向期間が終わるタイミングで、このまま戻ってデューデリジェンスをやるのは少しつまらないと思いました。それよりも「案件を探してM&Aを実行し、その後のPMIまで関わる」という工程を体験したいと思ったんです。そこで事業会社への転職を決意しました。
GAテクノロジーズの存在は、エージェントの紹介で初めて知りました。「テクノロジーの力でアナログな不動産業を変えたい」という意志に共感しましたし、何より面白そうだと思ったんです。
面接では、代表の樋口さんを始め、たくさんのメンバーと率直な話ができました。立場は違えど、すべての人が「日々の業務をもっと改善したい、会社をより良くしたい」という真摯な思いを持っていると感じましたね。
とくに「経理が会社の成長スピードに追いつけておらず、改善点がたくさんある」と面接で聞いた際は、自分ならその課題解決に貢献できるのではないかと思ったんです。単純に経理の業務を進めるのではなく、プロジェクトマネジメントの観点で進める必要がある分野ですが、それを含めて自分の力を活かせると感じました。
GAテクノロジーズのビジネスモデルだけでなく、そこで働くメンバーの人柄を知ったことで「本当に世界を狙える会社だ」と直感的に思ったんです。それが入社の最終的な決め手になりました。
Corporate Management Division(以下、CMD)は、「財務経理」「法務」「情シス」という専門性の高い3つの部門で成り立っています。
まず「財務・経理」は、言うまでもなく会社の重要なお金を担う部署です。GAテクノロジーズは非常に変化が速い会社なので、これまでは後追いで対応せざるを得ない部分もありましたが、先手を打てる体制構築と仕組みづくりを進めています。
今後は、経営陣を始め各部署への適切かつスピーディな財務情報の提供に加え、IFRS(国際会計基準)の導入も進めていきます。
続いて「法務」は、法的な側面からリスクに対応したり、コンプライアンスとガバナンスの最適化と推進を担当する部署です。すでに起こってしまったトラブルに対応したり、リスクを未然に防ぐ機能ももちろんありますが、法務が主導して事業部と連携し、新しいビジネスの形を提案するなど積極的な動きをしています。
最後に「情シス」です。こちらは会社の情報資産管理・活用やセキュリティ上のリスク対応を担う部署として、守りを固めることはもちろん、未来を見越して今後必要となる環境を整えています。
コーポレートというと保守的なイメージを持たれることが多いですが、CMDは「世界のトップ企業を創る。」というビジョン達成に貢献するために、スピーディに変化する会社の状況にプロアクティブに対応することを意識しています。
それぞれの部署で専門性は異なりますが、関連部署とも密に連携を取ることで、経営陣及び関連部署が早く合理的な判断ができる体制の構築を進めています。
また、現在CMDは50名近いメンバーがいて、会計士・税理士・弁護士・情報システムなど、さまざまなスペシャリストが在籍しています。バイリンガル・トリリンガルの人材もいるため、海外対応もスムーズに進められる環境があります。GAテクノロジーズグループの海外事業は、現在は神居秒算に限られますが、さらなる海外展開などあらゆる可能性を見越して対応するための準備は整っています。
私個人としても組織としても、「世界のトップ企業を創る。」というビジョン達成のためにやるべきことをやっていきます。メンバーはそれぞれ専門分野は違いますが、目指す方向は同じ。常に会社の成長につながる判断をしていきたいと思います。
また、CMDとしては「GAテクノロジーズのコーポレート部門で働きたい」と思っていただける組織になりたいですね。そのために、今のメンバーがGAテクノロジーズで働いていることに誇りを持てるようにしたいです。先進的な取り組みや業務での挑戦を通じて「成長できる」という実感を持ってもらいたい。そうすれば会社の良さが内部から滲み出て、結果として外から新たな人が来て新たな文化を作ってくれると考えています。
さらに今後は、統合報告書の準備を進めていきたいですね。グローバル企業になるうえでESG投資の観点は欠かせません。常に未来に向けて会社としての在り方を考え、変えるべきところは変えていきたいと考えています。
私がGAテクノロジーズに入社を決めたときの直感は、入社後も変わっていません。GAテクノロジーズグループで働く全員が、本気で世界を目指していることを日々感じます。それぞれのメンバーが、業務改善への意識が高く「もっと会社へ貢献しようと」いう思いを持っているんです。GAテクノロジーズグループが大切にする価値観、GA GROUP SPIRITSの「HEART 人としてちゃんとしよう」の部分を非常に感じますね。いち人間として、とても働きやすい環境だと思います。
メンバーだけでなく、経営陣も「損得以外に大事にしているもの」があると感じます。会社として掲げるミッションもそうですが、テクノロジーの力でお客様にとって本当に便利で安心できるサービスを届けたいという意志には、損得を超えたものがあると思います。
また、強烈なリーダーシップによるトップダウンも大切ですが、GAテクノロジーズは、健全な議論ができる環境が整っています。経営陣がそれぞれの観点から自由闊達な議論をし、全員で決定してくプロセスがあります。
この一体感をさらに強固なものにしつつ、経営陣、そしてメンバー全員で同じ目標に向かって進んで行きたいと思います。
撮影:今井淳史
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